焼き芋


焼き芋

大分県産「紅はるか」使用。独自の「焼き」と「冷凍」でしっとり蜜の美味しさをご賞味ください。

名称 焼き芋
原材料名 紅はるか
アレルゲン 無し

焼き芋
焼き芋

大分県鶴崎

「鬼と焼き芋の物語」

北の地に、仏と崇められる鬼の住む地域があり、夜毎鬼の祭りが開かれていた。
ある祭りの夜、一人の細い鬼が酒に酔って、一番力持ちの鬼に相撲を取ろうと言った。
細い鬼は酒に酔っていたので、相撲を取ろうとする相手のことがよくわからなかった。
相撲を取り始めると、案の定、全く歯が立たずすぐに負けた。それでも細い鬼は相撲をやめなかった。
もう止めたい力持ちの鬼は力一杯細い鬼を投げ飛ばした。とてつもない勢いで投げ飛ばされた細い鬼は、南の空へ消えていった。

細い鬼はある村に落ちた。その瞬間、鬼は世にも恐ろしい形相に変化し、性格も攻撃的になった。
実は北の地には結界があり、その結界から鬼が出てしまうと仏のような優しく柔和な鬼から、恐ろしい鬼に変わってしまうのだった。
変わってしまった鬼は、まわりの畑や田んぼを荒らし、好き勝手に過ごした。

ある日、とてもいい匂いが百姓の家からした。鬼は匂いにつられて家の中まで入った。
中には一人のおばあさんが居たが、目が不自由なのか鬼を恐れなかった。
おばあさんは焼いていた芋を鬼に差し出した。
鬼はたまらなく甘い匂いのする、その芋を食べた。今まで食べたものの中で一番うまかった。
そして何個も何個も食べた。不思議なことに芋を食べるごとに、鬼の体はプクプクと丸くなっていった。そして顔も優しい表情に変わっていった。最後の芋を食べ終わる頃には、また仏のような鬼に変わっていた。
それから鬼は村に居座り、畑や田んぼを手伝い、大好きな芋をたらふく食べて幸せにくらした。